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掲載日:2014年4月20日

スプリング・エフェメラル

「なんて可憐な花だろう」「なんて美しい色だろう」

 目がしばらく釘付けになりました。13日の高知新聞朝刊に紹介された梼原町東川で生育された「カタクリ」の写真です。ユリ科の多年草で、落葉林の地表に育つ、日陰にも強いのが特徴です。高さ10㌢くらいの茎はお辞儀をするように上の方で曲がり、紫色の6枚の花びらがめくられるように開きます。落葉樹が春に葉を付ける前に一斉に咲き出しますが、落葉樹が葉を付け始める春本格から初夏になると、林の中は昼間でも光が届かず葉は光合成ができにくくなり、花は終わり葉も枯れます。あとは地中にある小さな球の茎だけになり、そこに翌年に花を咲かすべくデンプンを蓄えます。

 こんな春先の短い間だけ花をつけ、ほとんどを地中で過ごす植物は「スプリング・エフェメラル」と呼ばれます。「春の短い命」という意味で、カタクリ同様に林の木々に葉がつく前に花を咲かせ、木々の葉が出そろうころには既に種子を実らせています。受粉してくれるアリなどの昆虫が少ない時期に花を咲かせるにはリスクも伴いますが、それでも薄暗くて花が目立ちにくい木陰にいち早く咲くのは、昆虫にも春の訪れをお知らせするのでしょうか。

 スプリング・エフェメラルの仲間にキンポウゲ科ではセツブンソウ、フクジュソウ、イチリンソウ、ニリンソウ、ケシ科にムラサキケマン、ユリ科にはショウジョウバカマなどがあります。高知の人にとっては、牧野富太郎博士が愛したシコクバイカオウレン(四国梅花黄蓮)を忘れるわけにはいきません。キンポウゲ科で大きな群落を作りますから見応えがあり、カタクリ同様に多くの愛好家の観賞の対象にもなっています。

 これらの花は以前に比べると生息している箇所が少なくなってきています。人間が大暴れして地球を壊している一面もあり、他の生物は生きにくくなっているからです。カタクリは、高知県ではごく近い将来に絶滅の危険性が極めて高い種に指定されています。そんな中で稀少になりつつある生物を守り、育てているのも、やはり人間です。愛好家が丹精込めて育て、守っています。新聞で紹介されたカタクリも地元の愛好家の中平勝也さん(54)が9年もの間、手塩に掛けてはぐくんでいるのです。

 カタクリの花言葉は「初恋」「寂しさに耐える」など。千葉県柏市や茨城県内原町(現水戸市)など全国あちこちの市町村の花となっています。

(2014年4月)

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