高知新聞社会福祉事業団 軽費老人ホームA型 軽費老人ホームA型 あかねの里

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掲載日:2016年11月28日

自分の生活を守る


 休みを利用して近所の量販店を訪れたとき、「ブラックフライデーのバーゲン、衝撃の価格です」と店内放送が続きました。「ブラックフライデーとは何? 日曜日なのにどうしてフライデー(金曜日)をうたい文句にする?」と不思議に思いながらも、書籍コーナーに目的の月刊誌を求めました。「ブラックフライデー」はアメリカで11月第4木曜日の感謝祭の翌日に当たる金曜日で、歳末商戦の皮切りの日とされ、多くの小売店が黒字になるからと名づけられたと言います。この量販店ではアメリカの商習慣をまねて金曜日から3日間、セールを行ったようです。一般庶民の所得はなかなか伸びない時勢での消費喚起作戦で、「バレンタインデー」のように定着するのでしょうか。

 先だってある高齢者が「昔は金利が10%の定期預金があり、預金の利子と年金でしっかり生活できた」と古きよき時代をしのんでいました。仮に1,000万円の元金があったなら1年で100万円の利子、そのまま10年置いていたら元金と利子を合わせて2,000万円と倍増します。定年後に備えた貯金と退職金など火急を要さない蓄えがあれば利子もそれなりの生活資金になったのでしょうね、今、金利が0.25%として10年間で25万円しか利子は付きません。株に投資しても株価も昔ほど右肩上がりに伸びません。

 そんな中、先週金曜日25日、衆議院の委員会で年金の支給額を下げるルールを盛り込んだ「年金制度改革法案」が可決されました。これまで支給額が減らされるのは物価が下がったときだけでしたが、新しいルールでは物価と現役世代の給料のうち下落幅が大きいほうに合わせて下げることができます。審議の中で厚生労働大臣は「衣食住を100%保障するのを目指しているのではない」と応えています。政府自民党は今月末に国会の会期が切れて参議院での審議時間が確保できないため、会期を12月半ばまで延長する方針です。

 国民の多くは年金を老後の生活を支えるお金と認識しているでしょうし、現にこれまで年金は生活資金として当てになっていたのです。まだ、法律が決定したわけでもないのですが、今後、高齢者はどうやって自分の暮らしを守ればいいのでしょうか。自ら稼ぐということは出来ませんから年金でしのぐ以外はなく、節約するということになりそうですね。節約と言っても若い時のように遊びに使うことはほとんどなく、つましい生活を送っているわけですから、今後は「赤貧灯すがごとく」の生活になるかもしれません。これはかなり乱暴な考え方かもしれませんが、医療・介護の費用を削減できないでしょうか。これらの費用は恒常的なもので削減効果は大きいものです。

 ではどうやって? まれな例なのかもしれませんが素晴らしい手本があります。いの町の92歳の元気なおばあさんです。ボランティアとして畑作りや調理指導を行っています。74歳で胃をすべて摘出し、82歳のとき転倒しひざの骨を折り入院、その後デイサービス通いの日々でした。しかし、不屈の精神で病苦を克服、要介護1から要支援1まで回復し、89歳でボランティアに登録、今では介護サービスは利用していないそうで、次回の認定変更で支援認定もなくなるかもしれません。

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