高知新聞社会福祉事業団 軽費老人ホームA型 軽費老人ホームA型 あかねの里

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掲載日:2016年12月7日

継続危機の季節行事

 今日7日は朝からくっきりとした青空が広がり、まさに小春日和でした。地区社協恒例の福祉餅つきが近くのふれあいセンターで行われ、参加しました。地区にある小学校、中学校、養護学校からも児童・生徒約40人、それにボランティア約40人も訪れ、子どもらの「ジングルベル」の歌や妖怪体操の披露などにぎやかなものになりました。ボランティアも年々高齢化し、餅をつくとなるとかなりの肉体労働です。日ごろから体を鍛えていることもなく、それに加齢が重なると、皆さんも大変です。幸いに30歳代、40歳代も数名いて、また、「昔取った杵柄(きねづか)」とばかりに力強く、リズミカルな餅つきを披露する高齢者もいて、足腰を傷めることなく無事終了しました。合間の談話では「おじいばっかりの餅つきでいつまで続くやら」と冗句も飛び出しました。

 いやいやまさに冗句、餅つき行事がなくなることはないと思えました。ただ昨今、心配なことはノロウイルス(感染性胃腸炎)による食中毒や感染症です。 感染性胃腸炎は例年10月から11月にかけて発生し、その後、急速に発生は増加し12月から1月にかけてピークとなります。ウイルスに汚染された二枚貝などを加熱不十分で食べて感染するほか、 感染者が調理し汚染された食品を食べた場合や、患者の排出物からの二次感染、家庭や施設内などでのウイルス飛沫などによっても感染しますから厄介です。今年も11月上旬、高知市の保育園でノロウイルスによる胃腸炎が集団発生し、市役所からは感染予防を呼びかける通達が出ました。

  主催者は参加者に使い捨てのマスク、手袋、帽子を提供、体調についても問い合わせ、また、作業前に入念に手を洗うことも勧めるなど手の入れようでした。私もおう吐や下痢、腹痛、発熱などがなかったかなど振り返りましたが、症状が表れた様子はありません。しかし、日ごろはホームと家庭を往復する日々ですが、このところ忘年会続きですから、あれこれと思いが巡ります。「二枚貝も調理され、形状が変わると分からない。サラダに入れられた半加工のものを食べたかもしれない」「従業員がせきをしていた」「体力があるから発症しないだけかもしれない。自らウイルスを持っているかもしれない」などと悪いほうに考えが進みます。

  この福祉餅つきは今回で14回目となり、子どもたちもいつも楽しみにしています。主催者も事前に入念な発生予防の手を打ち、14回目に備えました。私たちのホームでも17日の土曜日に地区の方も招き餅つきを行う予定ですが、昨年は利用者1人が胃腸炎になり、中止しました。いくつかの福祉施設に開催の是非を問い合わせると、「この数年、餅つきはしていない」との答えもありました。感染を避けるための一番の方法なのかもしれません。危機管理なのかもしれません。

  しかし、これでまた暮れの風物詩も一つきえるかと思うと、少し寂しい感じがします。しかし、利用者には他の年齢層以上に餅つきは楽しみです。自分で丸めた餅をその場で食べる醍醐味は餅つきでないと味わえません。一方、発生すると、利用者、ボランティア、職員、その他関係する機関、また社会全般に被害、迷惑が及びます。決行に至る根拠は「あれこれとあまり考えると何もできなくなる」との意見ですが、この根拠は薄いものでしょうか。

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