掲載日:2017年2月9日
前回、この欄で妻がインフルエンザにかかり、「私は用心し感染しない」と宣言しましたが、「感染したらどうしよう。かかりました、と告白するのもみっともない」と不安な気持ちもありました。その後、せきもくしゃみも熱も出ず、危険な期間を脱出、平穏な日々です。もっともこの間、職場の事務室からは出ないように努めていましたが、3件ほどあった利用者の感染も自分のせいではないかとも考えました。そして小さな予防策とは言え、あれこれと慣れないことを重ねることでストレスが積もり、免疫力も落ちると苦笑しながらも、インフルエンザへの認識が深まったのはうれしいことでした。
さて先だってはボランティア活動をしたり、スポーツや文化などで活躍したりしている高齢者を表彰、紹介する高知県社会福祉協議会の「第3回高知の輝くシニア大賞」表彰式をのぞきました。介護保険サービスを利用しない高齢者が約8割と、元気なお年寄りが多い中でも飛び切り活動的な皆さんで、表彰理由などをうかがうと、元気な秘訣のヒントが得られそうです。
大賞の山中雅子(72)さんは「地区の銭湯がなくなったことがきっかけ」で地域の結びつきの運動を始めたとのことでした。戦災に遭わず古い街並みが残る地域で銭湯はきずな作りに大きな役割を果たしていたのでしょう。実現はかなり難しいのかもしれませんが、銭湯がこの地域に復活できたら素晴らしいと思いました。また、地域貢献部門特別賞を受賞した沢田美恵子さん(80)は、過疎高齢化が進む集落で隣組同士で助け合っていこうと「とんからりんの家」を有志ともども設立、介護保険の世話に出来るだけならないよう元気な高齢者がそうでない高齢者を支えていく活動に勤しんでいます。
シニア大賞にはプロモーション部門として川柳の表彰がありました。高知県俳句連盟の山本呆斉(ほうさい)会長はじめ連盟幹部が審査に当たっています。山本会長は俳号「呆斉」を名乗るだけあって諧謔がさえ、俳句と川柳、どちらに重心を置いているのかなと思われますし、俳句の門下生の元郵便局員には「郵呆(ゆうほう)」との俳号に授けています。入選句の選評幾つかです。広井典子さん(71) の大賞「天国の夫がくれる給料日」については「給料日を年金や遺族年金としたらトーンダウンする」と指摘、「給料日には残された家族が暮らせていけるお金、金額との意味が含まれる。ここに夫への感謝の気持ちが表れている」と話し、作風によっては川柳も優しさが必要だと知らされました。
また、審査員特別賞に輝いた和田隆子さん(93)の「デイケアへ少し口紅ひこうかな」との作品には「93歳の年齢だからこその素晴らしい作品、これが60代、70代だったらどうなのか。年齢も作品の大きなポイント。まさか93歳とは、と美しい誤解を与えるのも川柳」と解説してくれました。
実は、私たちの俳句川柳クラブの先生は昨年の表彰式でお会いした郵呆さんです。会場でいろいろと雑談を交わし、夕刻、近くの居酒屋に同行を願い、ダメもとで講師をお願いした次第です。私は忘れていましたが、郵呆先生によれば「ビール2本で説得された」とのことです。利用者の腕の上がり方を見れば随分安い投資でした。今年は部員全員がシニア川柳に投句するつもりです。その前に、この3月で切れる先生との1年の契約をビール2本で延長したいと思っています。