高知新聞社会福祉事業団 軽費老人ホームA型 軽費老人ホームA型 あかねの里

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掲載日:2017年10月10日

新聞をもっと活かして


 けさは「きょうの朝刊がまだ来ていない」との苦情が持ち込まれた新聞販売店もあったのではないでしょうか。きょうの朝刊はお休みですから勘違いの苦情ではありますが、店主の中にはこの苦情に「うれしいこと、仕事冥利に尽きます。新聞が届くのを待ち構えてくださっているのですから」とほほ笑む方もいらっしゃいます。もちろん、新聞社にも同様な電話はかかり、記者にとっても励まされることがあるのではと思われます。

 さて、施設では職員に難題をお願いすることがあります。「利用者60人全員の持病やかかりやすい病名を頭に入れてほしい」との業務命令には「なかなか覚えられない」と職員はこぼします。まじめな彼らですから要望以上に詳しいところまで入り込み、氏名を縦軸に病名を横軸にした一覧表をにらみ、赤線を引きながらの姿はさながら受験生のようです。「そんなことをしなくても簡単に頭に入り、忘れない方法はある」と私は職員に伝えます。利用者の病名だけでなく、他のいろいろな場合でも活用できる、時間もさほど要しない方法です。新聞を目的意識を持って丁寧に読む、それだけのことです。では、利用者60人の病名を覚える具体的な方法とは?

 利用者の病名一覧表は自ら作らなくても看護師が持っていますから利用できます。もちろん、個人情報の問題がありますから取り扱いは慎重さを要します。病名は一人で複数の病気を持っている人もいますし、高血圧など高齢者のほとんどが患っている病気もありますから、100前後の病気について原因、病状、治療法、注意点などを知っておけば業務はこなせると思います。この100前後の病気はがんや結核、脳こうそく、肺炎などごく一般的なものからベーチェット病、アミロイドーシスといったさほど耳にしない患者の少ない病気もあります。このような患者の少ない病気も含めこの100程度の病気なら新聞には1年の間何らか掲載されています。新聞で特集される健康・医療面なら病気を詳しく記していますし、それぞれの利用者さんに特有な病気ならば、その利用者さんを思い浮かべながら読むと頭に内容も入りやすいものです。

 特集面だけでなく、社会面には著名人の死亡記事があります。朝刊と夕刊と合わせて毎日4、5人の記事があり死因も記されています。また、別に「哀悼」の面があります。「細胞リンパ腫」「虚血性心疾患」などの死因が記されていると、パソコンに当たることも必要かと思います。打ち込んでというほどではなく、「ふむふむ」といった感じで十分です。新聞の情報にやや付加価値を高める、誰にもできる楽な方法です。それでいて頭に入るのは、新聞には医療情報だけでなく様々な情報が繰り返し、巻き返しして再出するからです。忘れかかったころに同じ情報がまた頭にインプットされるのです。

 例えば、今から初冬にかけてはインフルエンザの記事は毎年幾度となく出ます。この冬流行しそうな型の予測、予防接種の勧め、感染予防の方法、集団感染の第1号などなど…。難しい医学記事であっても、記者が変われば違った角度からの記事となり、前回理解できなかった内容も頭に入るのも新聞の利点です。

 この15日から「新聞週間」が始まります。もっと生活に新聞を賢く活かしてほしい、新聞は活用しないともったいないと、新聞のPRを少しばかりいたしました。新聞週間中に古新聞の再利用も考えてみたいものです。

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