高知新聞社会福祉事業団 軽費老人ホームA型 軽費老人ホームA型 あかねの里

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掲載日:2018年1月1日

俳句クラブからの挑戦状


 新年、明けましておめでとうございます。今年も宜しくお願いします。高知はいつも以上に暖かい初日を迎えました。記憶をたどっても高知の正月の天候は「晴れ、暖か」で、自転車での出勤も心なしか嬉しい、晴れ晴れしたものがあり、「お正月の天気は日本全国どこにも負けない」と自負しました。施設に着くと、利用者同士も「いつにない暖かいお正月ですね」「風もない良い天気。穏やか、穏やか」と慶賀に包まれていました。朝の年賀式では「初暦 知らぬ月日の 美しさ」「手のつかぬ 月日ゆたかや 初暦」と作家の古屋信子(1896-1973)さんが残した句を紹介しました。真新しい暦の「美しさ」「ゆたかや」の形容語句にうかがい知れない新しいときへのときめき、期待する気持ちが表れており、利用者の皆さんの一年にも良いものがあってほしいと願ったからです。

 俳句川柳クラブの初句会は17日です。クラブもできて1年9カ月にもなると、クラブ員も腕を上げてきており、どんな句が披露されるのかと鑑賞の楽しみが増えてきました。講師の横で助手として句作したいきさつを聞いていますが、「なるほど」と納得したり、「まさか」と意外な着眼に驚かされたりです。また、日ごろ利用者に接する機会が必ずしも十分とは言えませんから、句会の席でのちょっとした雑談も利用者を知る貴重な情報です。施設への要望や苦情、利用者間のトラブルもさりげなく出ます。

 どの高齢者施設でも利用者の生きがいつくりとしてクラブ活動は盛んかと思いますが、俳句川柳の他のクラブ活動と違う四つの特徴を事務局としてちゃっかりPRさせていただきます。まずは、頭の体操になることです。俳句であれ、川柳であれ、クラブ活動での投句がありますから、クラブの時以外もいつも、ひょっとしたら寝ている夢の中でも句を作ることを考えてくれています。句を作るためにはあれこれと五感を働かせて周りを観察しなければなりません。頭の体操としては他の「頭の体操ゲーム」クラブもありますが、1人1人の個性に合わせて、しかもクラブの時間以外でも可能、となるとやはり俳句川柳ですね。

 二つ目は、川柳で笑い転げて免疫力が増すことです。笑いの効果は医学的にも証明され、医療関係者がさらに研究を進めています。この笑いはクラブ活動の時だけでなく、居室で作品を見るたびにもわき上がります。

 三つ目は一生を通しての楽しみになることです。「柿食へば鐘が鳴るなり法隆寺」の俳句で有名な正岡子規は明治35年9月18日、「糸瓜咲て痰のつまりし仏かな」など3句を病床で書きつけた後に静かに眠り、翌早朝34歳で亡くなっています。俳句や川柳は、紙と鉛筆があれば独りでもできる、入院しベッドの中でもできる、亡くなる直前でも作れる、というものです。

 そして最後は、施設と一生を通して関わりを持てることです。一般的には退所されると施設と利用者との縁は切れます。長寿を確かめたくても行先がつかめない場合も多いのです。そこで、退所されてもあかねの里に作句をはがきで送りくだされば、講評し送り返せますから、一生施設とつながりを持てます。これも他のクラブに見ない取り柄です。

 過労死問題が喧伝されていることから、今年はローテ以外の職員はお休みとしました。三が日、ホームページを見て「こんちくしょう」と思われたら返信欄まで。

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