掲載日:2016年1月21日
終日降った19日の雪は南国高知といえども、山かげに名残りを見せています。天気予報によると降雪はもう心配いらないとのことですが、さらに24日の日曜日にかけて冷えこみは強くなりそうです。1年に何回もない「今朝は寒いですね」とのあいさつがあちこちで交わされています。北国ほどではないのですが、この時季はやはり色彩が乏しくモノトーンの感じがします。実際、ホームの庭の草花も花をつけることなく、この寒さをしのぎ、春をじっと待っているかのようです。
そんな中、心を慰めてくれているのが庭の一角にある河津桜、つぼみが柔らかくなり、その中の幾つかは芽吹いてきています。河津桜は早咲きオオシマザクラ系とヒカンザクラ系の自然交配種と推定され、他の花木に先がけて2月には花を咲かせます。1955年、静岡県河津市で見つかったそうで、昨今では季節の話題に事欠くこの時節、新聞などをにぎわすようになっています。
ホームの桜は2本。25年2月、篤志家の立石萬寿男さん、時子さん夫妻から「身も心も寒くなる冬場に利用者の目の楽しみに」と他の施設ともども贈られました。植樹当時は高さが1㍍20センチ、幹の直径も1センチ余りの幼木で、根付くことが心配されましたが、利用者さんの世話も得て順調に育ってきています。昨年2月にはそれぞれ数輪の花をつけましたが、利用者さんの感想は「まだ、これからだね」と言ったもので、桜の持つ絢爛さには及びませんでした。
今年の正月はいつにもなく暖かかったこともあり、庭に出て何気なく見た河津桜に冬芽を見つけました。それからは手の空いた折に眺めていましたが、人の子同様、そんな期待にこたえるほどの生長はなく、しばらくは関心の的から外れていました。先の雪を確かめようと外に出た折、冬芽が芽吹いているのに気づいた次第です。しんしんと雪が降り、灰色の空を背景に目を細めないと分からないくらいの小さな淡い緑の芽が鮮やかです。しばらく眺めながらも、赤ちゃんを「緑児(みどりご)」と呼ぶのも新芽と関係あるのかな、と勝手な解釈もしていました。
立石さんは「目を楽しませて」とおっしゃいましたが、新芽だけでも心も楽しませ温かくしています。ましてや開花となると…。昨年は2月12日、利用者さんから「咲いていますよ」とお誘いがあり、「やはり早いね」「淡いピンクだね」、また中には「施設長、酒はないかね」などとの声もかかり、談笑したものでした。
今日21日は大寒。暦の上で一番寒い日が、現実でも一番寒い日となったと変に感心しています。今年の冬は暑かったり、寒かったり、また、暖かかったりと天候が定まりません。今回の異例の雪では、早出勤務者が早朝の交通マヒを心配して仮眠室に泊まったとも聞きました。頭が下がり、こちらでも温かい思いをしています。
桜が咲いたころ、暖かいならばコート要らずで格好の観桜、立春とは暦の上だけのことで寒がぶり返したにしても震えながら熱燗で宴。年間計画の2月に新しいスケジュールが必要になってきそうです。