高知新聞社会福祉事業団 軽費老人ホームA型 軽費老人ホームA型 あかねの里

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掲載日:2018年2月1日

欠食防止プロジェクト

 今日から2月。今朝の最低気温は3度ぐらいだったのでしょうか。一年中で一番寒い頃ですが、このところ最低気温が連日零度以下だったことから少し暖かい感じがしました。昨夜の天気予報は雪、平野部でも5㌢ほどの積雪を予測していました。朝起きてみると雨で、良かったとほっとし、雪国の大変さを思い起こしました。実は昨夕、天気予報を見ながら危機管理上、少しの雪なら職員すべてが経験していた方がいいと思っていました。早朝出勤の調理員が出勤できない場合に備え、積雪を何度か経験したベテラン職員と宿直員が自然災害時の非常食調理マニュアルを元に協議していました。こんなときはマニュアルもそうですが、やはり経験が大きく役立ちます。

 朝の給食には「サンマの甘露煮」が出されていました。甘露煮はサンマを素焼きした後、しょう油、みりんで煮ます。サンマはあめ色になり、骨まで軟らかく、熱いご飯があれば何杯でもいけます。「施設長は何でも食べられ幸せですね」と調理員からよく言われますが、嫌いのものがないだけで、好きなものはいっぱいあるのです。

 利用者の中には好き嫌いがあり、メニューを確認して欠食の連絡も時にはあります。そんな折は大概、出来合いのものをスーパーマーケットで買い、自室の冷蔵庫に保管しているようです。施設長は職員に比べ利用者とやや距離がありますから、「好きなものを食べたいとの気持ちは分かるが、それでは健康に良くないよね」くらいの気持ちです。しかし、調理員は「栄養士の立てた献立をおいしく食べてもらうことが仕事」と踏まえていますから考え込みます。そして、好き嫌いを理由にする欠食者には、たわいない話であっても接する機会を積極的に探しています。先だっては「欠食して顔が見られなかったので寂しかった」と誘い、便秘気味で食欲がないからと聞くと、「野菜類から先に食べるとお通じが良くなる」「麦ごはんは便秘に良いよ」などと提案していました。また、栄養士に利用者の体調など得た情報を伝えていました。

 調理員は福祉職と違い利用者と接する機会はさほどありません。利用者の認識も「調理の人」くらいのものがありますが、食堂に足を運んでもらい、自らのモチベーションを高めようとの気持ちには強いものがあるのです。調理員の傾向としては、人と交わることはさほど得意でなく、PRもうまくなく、どちらかと言えば人と話すことが苦手だったから調理師の道を選んだといった感じです。食事の短い時間での会話で利用者の心を切り開くには長い時間を要しそうですが、調理が好きだから、それを手立てとして話しているのだと思います。

 欠食の理由には好き嫌いだけでなく、高齢化を原因とする「食堂まで出向くのが面倒になった」「食べて寝ての繰り返しでお腹が空かない」「病院通いが多くなり食事時間にいない」といったものもあります。外出する利用者には食事の時間を早め、外出から帰る利用者には食事の時間を長くするなどの工夫も重ねていますが、食品衛生の決まりから提供できる時間には制限があります。あれこれとハードルは高いものがありますが、栄養士、調理員、看護師、福祉職員とオール施設で「欠食を減らすプロジェクト」を立ち上げる時期に来ているかと思われます。

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